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『Seem』で経済的ロスをなくし、 パートナーとの関係も良好に

苛原 稔先生
日本生殖医学会理事長、徳島大学医学部産婦人科学教授

1979年に徳島大学医学部を卒業後、産婦人科医の道へ。日本産科婦人科学会専門医や日本女性医学学会認定医としても活躍。

女性特有の病気や貧富の差……、不妊治療を取り巻く現状の課題

加齢にともなう「卵子の老化」によって、女性の妊娠率は30代後半になると急速に下がります。
実際、その年齢前後で不妊治療をスタートさせる方も少なくありません。
けれども実は、30代後半での 不妊治療は困難をともなう危険性があるのです。
なぜなら、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮がん、乳がんといった女性特有の病気のリスクが高まる年代だからです。
昔の女性は、そういった病気のリスク が低い年代に出産を終えていました。
けれども、「晩婚化」「晩産化」が叫ばれる今は、不妊治療のタ イミングと病気の発症が重なってしまうケースが増えています。
病気と闘うなかでどのように不妊治 療を行っていくか、というのが近年の新たな課題として浮き彫りになっているのです。

また、不妊治療を希望される方の貧富の差も大きな問題です。
年収730万円未満の世帯に向けた体外 受精の補助金制度があるとはいえ、不妊治療は自費診療なので家計を大きく圧迫します。
当然、お金に余裕があるカップルとそうでないカップルとで、受けられる治療内容などに差が出てくるのです。
今はまだ、誰もが平等に不妊治療を受けられる環境ではない、というのも課題のひとつだと言えるでしょう。

各都道府県で、不妊治療を受けられるクリニックの数に偏りがあるのも課題のひとつ。
日本生殖医学 会が認定している生殖医療専門医が、ひとりもいないエリアもあります。男性不妊の専門医に至っては、さらにその格差が顕著です。
不妊治療クリニックが集中している東京や大阪などの都市部と、そ うでないエリアとの格差を極力なくしていく。
そして、全国で同レベルの不妊治療が受けられる体制 づくりが急務であると考えています。

不妊治療に関する、男性の関わり方は変化していきている

私は、1983年に体外受精を日本で3番目に成功させた徳島大学病院で、医師としてのキャリアをスタートさせました。
長年、不妊治療に携わってきて実感しているのは、男性の関わり方の変化です。
昔は、治療の現場に「男性の顔」はいっさい見えませんでした。
また、「不妊=女性側に問題がある」 という考え方が当たり前の時代。
男性側に問題があると判明した際に、男性の母親に怒鳴り込まれた こともありました。
ところが、今はそのようなことはなく、カップルで来院されるケースもとても増えています。

また、不妊治療の高齢化により不妊治療が難治化、複雑化している印象があります。
さらにインターネットの普及で不妊に関する情報が氾濫しており、それらの情報には正しいものもあれば誤解を招いているものもあり、そのなかから自分に合った不妊治療を探すことが重要になっています。
そのために大事なことは、まず基本的な不妊に関する検査をしっかりして、どこが問題かを正確に把握することでしょう。

ただ、精液検査に抵抗を感じる男性が多いという事実は、今も昔も変わっていません。
不妊治療には前向きでも、最初に精液検査を受けようとしない男性がまだまだ多数です。
「パートナーに異常がないことがわかった段階で、検査を受けます」という声が多いようです。
けれども、もし女性の不妊治 療を進めた後に、原因が男性側にあることが判明したらどうでしょう。
時間とお金の大きなロスになってしまうのです。「今まで私がやってきたことは何だったの?」と、パートナーを悲しませること にもなりかねません。

「男は何歳になっても子どもをつくることができる!」は大きな誤解

そのような現状のなかで期待できるのが、スマホを使って手軽に精子の状態をチェックできる 『Seem』の存在です。
経済的ロスをなくすためも、パートナーを悲しませないためにも、ぜひ多くの 男性に活用してもらいたいと考えています。
不妊治療うんぬんの前に、パートナーとの結婚を考える段階で利用しておくと、今後の人生設計にも役立つのではないでしょうか。

不妊の原因の半分近くが男性側にあるという事実や、卵子だけでなく精子も老化するという事実は、 残念ながらまだそれほど広く知れ渡っていません。
かつて、70代で子どもができたという俳優が話題 になりましたが、実際は非常に稀なケース。
ところが、こうしたニュースを目にすることで、「男は 何歳になっても子どもをつくることができる!」と誤解してしまう人が多いのです。

また、それ以前に男女問わず、避妊や不妊に関する正しい知識を持った若者が少ないのが現状。
私たち日本生殖医学会も、もっと若い世代へ正しい知識を伝えていく努力をしていく必要があるのです が、若者にアプローチできる可能性が高い『Seem』にもその一翼を担える力があると思っています。

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