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妻が不妊治療を進めた後に、 夫が男性不妊であることが発覚した夫婦のケース(前篇)

不妊の原因は、妻だけではなく夫にもあった!?

妻:30歳くらいで結婚したのですが、そのタイミングで自分の体の状態を知っておきたいと思って不妊検査を受けました。それまですごく仕事が忙しくて、自分の体に自信がなかったというか……。また、加齢による卵子の劣化についての情報も耳に入ってきたので、とりえあえず調べておこうという感じでした。

最初は、奥さんがひとりで検査に行ったのでしょうか?

妻:はい。実は、妊活で病院に行く前に、子宮頸がんの検査で引っかかってしまったことがあったんです。それで妊活をするにあたって、心配だから詳しく診てもらおう、と。夫婦の問題というよりは、自分の健康診断に近い感覚でした。検査の結果、そんなに悪い状況でないことが判明。ホルモン値を測って卵子年齢を測る検査があるのですが、その数値がすごく低いと卵子が老化している、ということになるんです。私の場合は、数値が微妙に高かった。だからといって別にいいわけでなく、完全に異常というわけではない、ということでした。

その当時、男性不妊に対して意識はされていましたか?

妻:あるということは知っていたのですが、そんなに重く考えてはいませんでした。とにかく自分自身の体に自信がもてなかったので、夫側のほうまで意識はいっていなかった、というのが正直なところです。

夫側の立場から、最初に自分が検査に行かなかった理由を教えてください。

夫:結婚した当時、私は32歳でした。年齢的にもまだ若く、食生活もさほど乱れていなかったし、毎晩すごく遅くまで働いて時には徹夜、という仕事でもなかったので、自分には原因がないだろう、と思い込んでいたんです。

では、どのようなきっかけで検査を受けたのでしょう?

夫:妻が受けた検査の一環として、精子の活発度を調べる検査を受けることになったんです。結果を聞きにいったところ、先生に右側に基準の数字が、左側に私の数字が書いてある紙を見せられました。もう最初の項目から、数値が基準の半分以下だったんです。

そのとき、どんな気持ちでしたか?

夫:頭が真っ白になりました。あまりもう、説明は聞きたくないな、と……。これはすぐに、基準値に戻れる数字じゃないな、と恐怖と不安を感じたのを覚えています。

では、その後すぐに男性不妊の治療を始めたのでしょうか?

妻:いいえ。その後3~4年くらいは、タイミングを合わせて性行為をするなど、自分たちなりに妊活を続けていました。真剣に取り組むというよりは、「できたらできただし、できなかったらできなかったで、もうそれでいいかな」という感じ。なるべく、深刻になりすぎないようにしていました。

それは、なぜですか?

妻:不妊治療はお金がかかるし、「どうしても子どもが欲しい」となると、自分が追い詰められそうじゃないですか。ですから、そんなに積極的に不妊治療をにステップアップしようとは思っていなかったんです。

夫:私もとくに不妊治療をすることなく、「自然にできたらいいな」と思っていました。今思うと、真剣に自分の体の状況と向き合うことを、後回しにしていたのかもしれません。

結婚4年目、本格的に不妊治療を開始

その後、不妊治療をスタートさせるきっかけとなったのは?

妻:結婚4年目のときに、一旦、仕事を辞めたんです。早くほかの仕事を見つけなければと考える中で、「もう一回、子どもをつくることにちゃんと向き合ってみるのも、ひとつの選択肢かな」と。せっかく時間もできたし、病院も自由に自分のタイミングで行けるようになったので、「やってみようか」と二人で決めたんです。

そのとき、どんな話をしましたか?

妻:やっぱり不妊治療って、お金がかかるじゃないですか。もしできなかったら、止めどきも難しいので、いくらまでお金を使うか、ということはじっくり話し合いました。それで二人で上限を決めて、「じゃあ、やりましょう」ということになったんです。

不妊治療を始めるにあたって、旦那さんはどんな心境でしたか?

夫:一言で言うと、ショックでしたね。根拠はないんですが、一回検査でよくない結果が出ていたとはいえ、自然にできるだろうと思っていたんです。けれども帰ったら不妊治療についての本が積んであったり、妻がいろいろ調べて相談したりしてくるんです。妻の真剣度が伝わってきたので、「これは、力を入れてやらなきゃな」と気持ちが変化していきました。

妻が不妊治療を進めた後に、 夫が男性不妊であることが発覚した夫婦のケース(後篇)
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