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年齢とともに妊娠しづらいカラダに!? 女性の年齢と妊娠率

久慈 直昭先生
東京医科大学 産科・婦人科

昭和57年慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部産婦人科教室入局。
平成13年同大学産婦人科講師、平成26年より現職。生殖医学、不妊症を専門とする。

40代前半の妊娠率は、20代前半の半分以下という結果に!

「避妊せずにセックスをすれば、すぐにでも妊娠するはず」。漠然と、そのように思っている男性も少なくないでしょう。けれども実際は、そうではありません。基本的には、女性の排卵日前後にセックスをしなければ、たとえ避妊をしなかったとしても妊娠することはないのです。

逆に、子づくりを意識して避妊をせずにセックスした場合、半年から1年以内に子どもを授かるのが一般的。ただ、その確率は女性の年齢によって大きく異なってきます。アメリカの大学教授であるM.Sara Rosenthal氏の調査によると、1年間の妊娠率は加齢とともに低下。20~24歳では88%だったのが、25歳~29歳で78%、30~34歳で63%となり、45~49歳では5%にまで下がってしまいます。

また、22歳前後の女性の妊娠のしやすさを1.0とすると、30歳では0.6、40歳になると0.2ほどまでに低下してしまうというデータも存在。つまり、女性の年齢と妊娠には、大きな関係性があることがよくわかります。

加齢にともなう「卵子の劣化」が、妊娠率低下の原因に

先ほどのデータからもわかるように、女性は年齢を重ねれば重ねるほど妊娠しにくくなります。その理由は、「卵子の劣化」と大きく関係していると言えるでしょう。毎日新しくつくられる男性の精子と違って、女性の卵子は生まれたときにはすでに存在しており、その後、新たにつくられることはないのです。

「女性の一生と卵子の数の変化」を表したグラフからもわかるように、妊娠5~6ヵ月の約700万個をピークに、卵子の数は減少。出生時には約200万個、思春期には20~30万個と減り続け、閉経時にその数はゼロに近づきます。

また、残っている卵子も女性が年齢を重ねるにつれ、ともに歳を重ねていきます。つまり、次第に卵子の質が低下していってしまうのです。質のいい卵子の数が減っていくことこそが、年齢とともに妊娠率が下がってしまう大きな原因だと言えるでしょう。

出産方法や出産場所にも影響を与える、女性の年齢

女性の年齢は妊娠率だけでなく、出産方法や出産場所にも大きな影響を与えるようです。リクルートマーケティングパートナーズの『出産育児に関する実態調査2016』によると、「自然分娩」で出産した女性は全体で76.3%ですが、20代84.7%、30代74.1%、40代60.9%と、年代が上がるごとにその割合は低下。逆に、「帝王切開」で出産した女性は、20代10.5%、30代20.2%、40代31.4%と、年代が上がるごとに割合が高くなっています。

出産場所として「診療所(個人病院・クリニック)」の次に多かったのが、「病院」の41.3%。そのなかで、年代が高くなるにつれ、NICU(新生児集中治療室)やMFICU(母体・胎児集中治療室)といった、より設備が整ったセンター病院(総合病院・大学病院)を選ぶ傾向が高まっていることがわかります。

このように女性の年齢は、妊娠や出産にさまざまな影響を及ぼすことがわかるでしょう。結婚や子づくりまだ考えられないという男性も多いと思いますが、ぜひ現実に目を向けてパートナーと将来を話し合うようにしたほうがいいでしょう。