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月経周期や量に潜む!? 女性の不妊症のサイン

久慈 直昭先生
東京医科大学 産科・婦人科

昭和57年慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部産婦人科教室入局。
平成13年同大学産婦人科講師、平成26年より現職。生殖医学、不妊症を専門とする。

女性の不妊症の原因って?

最近では、避妊をせずに性行為をしても1年間妊娠しなかった場合、不妊症を疑うのが一般的です。ただし、女性の年齢が35歳以上、もしくは月経の異常があったり、以前に性感染症や子宮筋腫、子宮内膜症を指摘されたことがあったりした場合は、6ヵ月程度妊娠しなかったら、産婦人科を受診することがすすめられています。

女性の不妊症には、いくつかの原因が考えられます。一つ目は正常に排卵が行われていないこと、二つ目は卵管の閉塞や癒着によって卵管に卵子が取り込まれにくくなること。三つ目は子宮筋腫などによる着床障害。さらには頸管粘液量の低下、または精子を傷害する抗体を産生することによって、卵子と精子が出会いにくくなってしまうというケースもあります。

これらのほか、検査をしても不妊の原因が見つからないことも多く存在。実に不妊症の女性の1/3が、「原因不明不妊」とされています。一般的に、夫婦の年齢が高くなると「原因不明不妊」患者の割合が増えることから、加齢が大きな原因のひとつと考えられているのです。

毎月の月経をチェックすることが大切

妊娠のしやすさは、加齢によりどんどん低下していくもの。早期に不妊症であることがわかれば、それだけ早く原因を取り除く治療や不妊治療が受けられ、妊娠率もアップすると考えられます。

まずは、月経周期に異常があるかどうかチェックすることが大切。月経周期の異常とは、長すぎる、もしくは短すぎるケースを指します。前回の生理から39日以上あいていたりほとんどこなかったり(90日以上あく)する場合や、24日以内に次回の生理がきてしまう場合は、排卵がおきていない可能性が高いのです。無理なダイエットをして極端に痩せている方や、反対に極端に肥満している方は、こうしたリスクが高まります。排卵しているかどうかは、基礎体温をチェックすれば予測できることが多いもの。1〜2ヵ月ほど基礎体温表をつけて、早めに婦人科を受診することが大切なのです。

周期に異常がなくても、月経の量が極端に多かったり、少なかったりする場合は注意が必要です。量が多くて期間も長い(8日以上)場合は、子宮筋腫など婦人科系の病気にかかっている危険性も。また量が極端に少ない、もしくは短い(2日以内)場合は、排卵がおきていないサインであることもあります。

こんな病気も不妊症を引き起こす要因に!

子宮内膜症にかかっている場合、妊娠率が1/10ほどにまで低下することが指摘されています。とくに子宮内膜症によるチョコレート嚢腫(卵巣の内部に発生する子宮内膜症)がある場合は、卵子の老化が年齢より進むことがあるとされているので、とくに注意が必要です。

子宮内膜症の代表的な自覚症状は、月経痛です。月経の周期や量に異常がなくても、極端な生理痛に悩まされている女性は要注意。とくに年々痛みがひどくなる場合は、子宮内膜症にかかっている可能性が高くなります。さらに月経時にいつもお腹をこわす、もしくはセックスをすると痛みを感じるようになった場合も子宮内膜症の疑いがあります。

子宮筋腫を指摘された経験がある人、またクラミジアや淋菌などの性行為感染症にかかったことがある女性も、不妊症のリスクが高まります。骨盤腹膜炎や、腹部の手術後に腹膜炎や腸閉塞をおこした経験がある場合も、卵管が正常に働いていないケースが多いのです。心あたりのある女性は、早めのチェックを心がけましょう。

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